日本人の約半分はお酒に弱い!?
違いが大きい、体質によるお酒の「強さ」、「弱さ」


ALDH(アルデヒド脱水素酵素)にはアセトアルデヒドが低濃度の時に働く「ALDH2」と、高濃度にならないと働かない「ALDH1」があります。日本人の約半数は、生まれつき「ALDH2」の活性が弱いか欠けています。
このタイプはアルコール分解産物である有害なアセトアルデヒドを速やかに分解できないため、少量のアルコールでも悪酔いしやすい、お酒に「弱い」体質です。お酒に「強い」「弱い」は遺伝による生まれつきの体質からくるものです。
このため、両親ともお酒に弱い人は、強くなろうと無理な努力をするよりも、自分の体質を認識し(周りの人にも知ってもらい)、体質に応じた飲み方を守っていくことが大切です。
遺伝子型とアルコールに対する強さの関係
活性タイプ
強い人・弱い人
出現率
ロイド
(日本人)
活性タイプ
強い人・弱い人
出現率
ロイド
(日本人)
活性タイプ
強い人・弱い人
出現率
ロイド
(日本人)
モンゴロイドは何故か「お酒に弱い」人種
はるか昔、人類が三大人種(黒人、白人、黄色人種)に分岐した後、何故かモンゴロイド(蒙古系人種=黄色人種)の中に突然変異的に「ALDH2」の活性をなくしてしまった人が出現し、時代を経るにつれ、モンゴロイド系にはお酒に弱い人種が次第に増えていきました。今日「ALDH2」低活性型(不活性型を含む)の存在はモンゴロイドの特徴となっています。ちなみに黒人、白人には「ALDH2」低活性型はみられません。
ところで、モンゴロイドは昔、陸続きであったベーリング海を渡って、はるかアメリカ大陸にまで大旅行をし、移り住んだといわれます。このことは、アメリカ大陸先住民にモンゴロイド特有の「ALDH2」低活性型(不活性型を含む)が存在することからも裏付けられます。「お酒に強いか弱いか」という何気ないことが、最先端の科学である「遺伝子分析」の手法を通じて、人種のルーツ解明や比較人類学の進歩に役立っているのは興味深いことです。
「ALDH2」低活性型の割合(不活性型を含む)

原田勝二(元筑波大)「神経精神薬理 6,NO.10,681」(1984)より改変
フラッシング反応とALDH2活性の有無
フラッシング反応とは、お酒を飲んだ時に出る、顔が赤くなるなどの症状で、アセトアルデヒドの作用によるものをいいます。
村松太郎、樋口進「Alcoholism」(1989)を一部改変







