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[食領域]

<参考資料>「プラズマ乳酸菌」長期摂取による寿命延長効果
および老化形質抑制効果を確認

  • 研究・技術

2014年6月9日

キリン株式会社

キリン株式会社(社長 磯崎功典)の基盤技術研究所(所長 近藤恵二)は、小岩井乳業株式会社(社長 堀口英樹)と共同で、プラズマ乳酸菌(Lactococcus lactis JCM5805株)※1が動物やヒトにおいてウイルス感染防御における免疫賦活効果を示すことをこれまでに確認していますが※2、今回、新たにプラズマ乳酸菌(JCM5805株)の長期摂取による寿命延長効果および老化形質抑制効果を確認しました。この研究の成果は、6月8日(日)の第14回抗加齢学会学術集会で発表しました。

  • ※1 以後、プラズマ乳酸菌(JCM5805株)と表記
  • ※2 2011年9月6日発表 「ウイルス感染防御を担う免疫細胞を活性化する乳酸菌を発見」
    2012年3月22日発表 「ウイルス感染防御に関する乳酸菌をプラズマ乳酸菌と命名」
    2014年3月29日発表 「プラズマ乳酸菌摂取によるロタウイルス感染症状の緩和効果を確認」

乳酸菌は、整腸効果やアレルギー改善効果、感染防御効果など、様々な機能性を研究されている食品素材です。今回は、プラズマ乳酸菌(JCM5805株)の寿命および老化形質に対する効果について検証しました。
今回の試験では、老化促進マウスを、標準食を餌とする「標準食群」と標準食にプラズマ乳酸菌(JCM5805株)を加えた餌を摂取させる「プラズマ乳酸菌(JCM5805株)群」の2群に分け、5週齢から82週齢まで飼育しました。寿命延長に関して免疫系の活性化度および生存率を評価するとともに、肝臓の病理解析および遺伝子発現量解析※3を行いました。また、老化抑制に関して、老化スコア(毛つや、行動など)を隔月で評価し、皮膚について表皮の厚さの測定を行ったほか、筋肉の重量測定を行いました。

  • ※3 RT-PCR解析による

その結果、「プラズマ乳酸菌(JCM5805株)群」は「標準食群」と比較して、82週齢時点での生存率および感染防御機能を司るプラズマサイトイド樹状細胞の活性化度が有意に高いことが確認されました。また、肝臓の病理解析において炎症症状の発生率低下が観察され、遺伝子発現量解析により肝臓局所におけるSAA1(血清アミロイド蛋白)などの炎症に関連する遺伝子の発現が抑制される傾向を確認しました。さらに、プラズマ乳酸菌(JCM5805株)摂取によって老化スコアの有意な改善も認められるとともに、皮膚表皮が薄くなることや筋肉量減少のような老化現象の進行を緩和することも確認できました。

マウスの自然死の原因の1つは、肺や肝臓等で起こる過剰な炎症(肺炎、膿瘍等)とされています。プラズマ乳酸菌(JCM5805株)の摂取は、免疫系を活性化することにより、日常的な感染・がん化を防ぎ、体内での累積炎症頻度を低下させ、生存率の向上に繋がると考えられます。さらに、このような炎症を緩和する効果が、加齢に伴う毛つや・表皮・筋肉の老化現象を抑制することにも繋がると考えられます。
今後は、乳製品をはじめ、キリングループの商品などへの応用と合わせて、プラズマ乳酸菌(JCM5805株)のさらなる有効性を解明していきます。

キリングループは、あたらしい飲料文化をお客様と共に創り、人と社会に、もっと元気と潤いをひろげていきます。

老化スコア
生存曲線

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