2008年1月10日
2008年 キリンビール事業方針
〜 誰よりもお客様の近くに。そして、もっと豊かなひとときを。 〜
■2008年 キリンビール基本方針
キリングループの成長を支える中核会社として、お客様の多様なニーズに応えるため、より魅力的な価値を提案することで総合酒類化を推進し、お客様から最も支持される企業を目指します。
- (1)発泡酒および新ジャンルにおける圧倒的なトップポジションをより強固にした上で、ビールを強化し、お客様から最も支持される企業を目指す。
- (2)メルシャン社から移管され、ラインアップが充実したRTD、焼酎のブランドポートフォリオを再構築し、総合酒類化を推進する。
- (3)お客様へ常に新しい価値を提案し、地域に密着した営業活動をより推進することで、あらゆるお客様にとって
一番身近な 企業ブランドとなることを目指す。 - (4)開発・製造からお客様が商品を手にするまでの全てのプロセスにおいて、品質向上に取り組むとともに、一層のコスト削減を実現する。
- (5)コンプライアンスの徹底をはじめとした、CSRを実践する。
■2007年の振り返り
少子高齢化や嗜好の多様化などの影響もあり、業界全体のビール・発泡酒・新ジャンルの総市場が縮小する中、当社は1億8,640万箱(対前年0.4%減、大びん換算)となりました。
その中で、お客様から圧倒的な支持をいただく新ジャンルカテゴリーでは、「キリン のどごし〈生〉」に「キリンSparkling Hop(スパークリングホップ)」が上乗せとなった結果、業界を上回る大幅増となりました。発泡酒では、「淡麗グリーンラベル」「淡麗アルファ」が前年を上回り、拡大する糖質オフ市場を牽引しました。また、ビールカテゴリーでは、定番ビールの提案としては17年ぶりとなる 「キリン・ザ・ゴールド」を発売し、新たなビールの味わいを提案することで、ビール市場の活性化に取り組み、缶ビールの実績を拡大しました。
■2008年の取り組み
ビール・発泡酒・新ジャンル計では、業界全体が対前年で微減と予想される中、当社は上記の「5つの重点課題」を中心とした活動を展開することで、お客様に最も支持される企業を目指すとともに、グループの中核会社として、メルシャン社と連携し、国内最強の総合酒類メーカーを目指します。
■2008年キリンビール販売目標 単位:大びん20本換算(RTDは250ml×24本換算)
ビ・発・新 計 | ビール | 発泡酒 | 新ジャンル | RTD |
1億8,560万箱 (▲0.4%) |
7,420万箱 (▲5.4%) |
6,330万箱 (▲2.8%) |
4,810万箱 (+12.1%) |
3,670万箱 (+10.5%) |
1.商品戦略
(1)ビール・発泡酒・新ジャンル
07年は、新商品が数多く発売されながら、総需要は拡大せず、一方で各カテゴリーの上位ブランドへの定番回帰が顕著になりました。また、ここ数年の健康に対する意識の高まりは、さらに進むと考えられます。このお客様ニーズと市場環境の変化に応えるため、08年、当社は、「定番商品の強化」「糖質オフ商品の強化」「総需要拡大」の3点を中心に取り組みます。
【定番商品の強化】
定番商品へお客様の支持が集まる中、08年はカテゴリーでの存在感を増した「麒麟淡麗〈生〉」「キリン のどごし〈生〉」と、‘コクの発泡酒’「キリン 円熟」をリニューアルし、各カテゴリーにおける当社のトップポジションを強固なものにします。また、発売120周年を迎える「キリンラガービール」は、“時代を超えて愛されるビール”というブランド価値の訴求を継続。「キリン一番搾り生ビール」は、商品・広告・店頭で「一番麦汁の、めぐみ。」というブランドコンセプトを伝えるとともに、人気の「食」を通じたコミュニケーションでは、07年に話題となった「やきとり」「ぶりしゃぶ」に続き、08年は「辛子明太子」で日本の食シーンを盛り上げます。「キリン・ザ・ゴールド」は、春以降にブラッシュアップを予定しており、麦芽100%ならではの味わいを訴求する新たなマーケティングを展開することで、これまで開拓してきた若者層に加え、お客様の裾野の拡大に取り組みます。
【糖質オフ商品の強化】
07年間販売数1,900万箱、2年連続前年プラスと、拡大する糖質オフ市場で圧倒的な存在の「淡麗グリーンラベル」を、08年はリニューアルすることでさらに磨きをかけます。その上で“カロリーオフ”と“糖質ゼロ”を初めて発泡酒で同時実現した新商品「麒麟ZERO(キリン ゼロ)」を発売し、“プリン体99%カット、糖質60%カット 当社発泡酒比”の「淡麗アルファ」と合わせ、3つの異なる特性を持つラインアップを揃えることで、お客様の健康志向ニーズにお応えし、市場を牽引します。
【総需要拡大】
少子高齢化や、若者の嗜好の多様化などの環境変化に対応し、新たな提案をすることで酒類の総需要拡大を目指します。07年に発売し、予定を上回る販売となった「キリン Sparkling Hop」のような新ジャンルとRTDの“業際”※カテゴリーを強化するとともに、RTDカテゴリーからも新たなアプローチを行うなど、アルコールの新しい楽しみ方を提案することで需要を喚起します。 ※ 業際:異なる分野にまたがること
(2)RTDカテゴリー
07年は成長市場のカクテルカテゴリーに「キリンカクテルスパークル」を発売し、RTD市場を牽引する「キリンチューハイ 氷結」とともにお客様から高い支持をいただきました。08年は、メルシャン社から移管された「本搾り」「ギュギュッと搾った。」シリーズの味覚・パッケージ・マーケティングを一新し、新たにキリンブランドとして発売します。この拡充されたキリンのRTDブランドで、お客様の嗜好の多様化に応え、総需要拡大を目指します。また健康志向ニーズに応え、糖質50%オフ 当社氷結比の「氷結早摘み」シリーズの充実と、新たなラインアップも検討していきます。
(3)和洋酒カテゴリー
焼酎は、「麒麟麦焼酎ピュアブルー」などの既存ブランドに、メルシャン社の移管商品を加えることで、新たなキリンの焼酎ラインアップを展開します。「白水」シリーズは、“名水百選”の水使用というブランド特性を最大限生かし、味覚からコミュニケーションまで全てを刷新するとともに、新商品「白水マイルド」を発売することで、市場を活性化させます。拡大が期待される芋焼酎市場では、「火唐」シリーズを中心にお客様の裾野を広げます。
洋酒は、「シーバスリーガル」「キリンウイスキー 富士山麓」「フォアローゼズ」を中心にさらなる成長を目指します。
2.営業戦略
誰よりもお客様に近づき、常に新しい価値を提案することで、多様化するお客様のニーズに応え、最も支持される企業を目指します。また、メルシャン社と協働し、充実した商品ポートフォリオを軸に総合酒類化を推進し、市場におけるプレゼンスを拡大します。
「選ぼう ニッポンのうまい!」キャンペーンに代表される、地域と密着した営業活動を進化させるほか、北京オリンピックの盛り上がりが期待される中、中華料理をテーマに味の素社とのコラボレーションを展開するなど、開発・提案型の営業体制を強化します。業務用では、「品質向上」に向けた活動を継続して徹底し、お客様のビールに対する満足度アップを図ります。
一方、引き続き自主ガイドラインの遵守に取り組むとともに、05年に導入したオープン価格制度を和洋酒などへ拡大し、コストオンの発想に基づいた公正な取引環境の整備を進めます。
3.省資源・環境施策およびCSRの実践
高品質で安全安心な商品を安定的にお届けするために、全ての部門において品質とコスト削減を追求します。
調達部門では国内のグループ各社との原材料調達における協働活動を拡充させるとともに、海外においても、新たに豪州のライオンネイサン社とホップの共同調達を開始しました。また物流部門では、多品種化に対応しつつ、グループ会社と連携してSCMの効率化・高度化を実現させます。そのために、キリンビバレッジ社と共同で新物流情報システムの構築に着手するとともに、メルシャン社と和洋酒物流体制を改善することで、業務提携の効果を最大化していきます。
環境面では、地球温暖化防止対策への関心が高まる中、当社は燃料転換やバイオガス発電、省エネルギーを推進した結果、「09年中にCO2を90年比35%削減(原単位)」という目標を07年中に達成しました。08年は、さらに省エネルギーを推進することで、同39%の削減を目指します。また、取手工場では、バイオエタノール製造のテストプラントが08年から稼動する予定です。その他にも、全国の工場を中心に「キリンビール水源の森づくり」などの環境保全活動を継続展開していきます。
CSRについては、社会からの信頼性向上を目指し、コンプライアンスのさらなる徹底と、食の安全安心に応える品質向上や、適正飲酒などのアルコール問題といった取り組みを徹底します。
スポーツ支援は、サッカー日本代表のオフィシャルスポンサー、そして北京オリンピックに出場する日本代表選手団のオフィシャルビールパートナーとして引き続き強力に支援し、日本のスポーツシーンを盛り上げます。
キリングループは、「おいしさを笑顔に」のグループスローガンを掲げ、いつもお客様の近くで様々な「絆」を育み、「食と健康」のよろこびを提案していきます。