
| 2007年6月26日 |
| 〜リターナブルペットボトルの可能性に向け新たな一歩〜 |
酸性洗剤とマイクロバブルによる |
「DLCボトル」の洗浄に関する研究 |
| キリンビール株式会社パッケージング研究所(所長 狩野住夫)は、持続可能な循環型社会の構築を目指す中で、将来の可能性の1つとして、ビールや発泡酒などにおけるリターナブル用途のプラスチックボトルを研究しています。その研究テーマの1つが、リターナブルペットボトルの洗浄技術開発です。
ペットボトルをビールなどのリターナブル容器として使用するには、ペット樹脂を透過する酸素等に対して長期間の品質保持に必要な高いガスバリア性をどのように付与するかと、その高められたガスバリア性とペット容器の品質を維持しながらどのように繰り返し洗浄を可能にするかの両立が課題となっていました。従来、このような要件を両立できる技術の実現は、難しいとされていましたが、今回、当社が1990年代に開発着手したDLC※1薄膜を施したペットボトルの「DLCボトル」を使用し、さらに酸性洗剤とマイクロバブル※2を併用した洗浄を行うことで有望な成果が得られつつありますのでご報告します。
当社はこれまでも様々な新容器開発に挑戦してきましたが、その中で開発されたのが「DLCボトル」です。これは、当社が開発に携わってきた一連のプラズマコーティング技術を用いて、通常のペットボトルの内面に稠密な炭素膜コーティングを均一に施すことにより、酸素および炭酸ガスに対するガス透過を劇的に減少させ、さらに芳香成分の吸着も改善することで、ビールなどでのリターナブルペットボトル実現の可能性を高めたものです。しかし、この「DLCボトル」をリターナブル容器として利用するには、さらに課題があり、その中の1つが複数回数に及ぶ洗浄に関する技術開発でした。 ビールなどのリターナブルびんの平均寿命は約8年で、約24回も繰り返し洗浄して使用されます。ビールや発泡酒は、たんぱく質を多く含むため、容器洗浄には一般にアルカリ洗剤を使い、中性や酸性の洗剤だけでは洗浄力が不十分とされてきました。しかしペット樹脂の場合、ガラスに比べアルカリ洗剤による分解作用を受けやすく、また繰り返し使用することにより発生する擦り傷の損傷を加速させる恐れがあるため、不向きと判断しました。今回、新しい洗浄技術に挑戦した結果、新規に開発した酸性洗剤とマイクロバブルを併用した場合に、有望な洗浄効果を得ることができました。また、このような酸性洗剤やマイクロバブルは、既存の洗びん装置でも十分に使用できるものを選択できました。 当社のリターナブルびんの空きびん回収率はほぼ100%と、リサイクルの優等生です。当社はこの回収率を保ちつつ、さらなる軽量化やお客様の利便性向上を目指して、従来品より21%も軽量化した「軽量大びん」を開発するなど様々な研究を行ってきました。さらに軽量で割れにくいペットボトルのリターナブル容器が実現することにより、運搬時の環境負荷低減やお客様の利便性の向上が期待されます。リターナブルペットボトルの実現までには、まだ多くの課題がありますが、今後も洗浄後のペットボトルにおける擦り傷改善や遮光方法の検討など、新たな技術開発を目指します。 当社では、商品パッケージをお客様との重要なコミュニケーション手段の一つと位置付けています。「キリンチューハイ 氷結」シリーズで使用している「ダイヤカット缶」や、段ボールカートンから4隅を落とし、8角形にすることで強度とハンドリング性を向上させた「コーナーカットカートン」、プルタブへの指かかりをよくし、小さな力で開缶できる「かんたん缶」など、これまでもユニークで機能的なパッケージを提案してきました。今後も、技術開発力とリサーチ・マーケティング力をもとに、新たな容器開発に取り組みます。 キリングループは、「おいしさを笑顔に」をグループスローガンに掲げ、いつもお客様の近くで様々な「絆」を育み、「食と健康」のよろこびを提案していきます。 |