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2005年12月18日

A型インフルエンザウィルスに対するヒト抗体医薬の研究成果について
〜A型インフルエンザに対し幅広い効果が期待できるヒト抗体を取得〜


  キリンビール株式会社(社長 荒蒔康一郎)のグループ会社であるジェミニサイエンス社(米国カリフォルニア州、社長 川村和男)は、ラホヤ免疫アレルギー研究所(米国カリフォルニア州、代表者 ミッチェル・クローネンバーグ)などとの共同研究で、A型インフルエンザウィルスの感染に対して効果を示すヒト抗体の取得に成功しました。この内容は、米国ワシントンDCで開催された「第45回抗菌薬および化学療法に関する学術会議」(ICAAC※1)で、日本時間の12月18日に発表しました。現在は動物モデルの実験などにより有用性が確認された段階で、今後、鳥インフルエンザを含むA型インフルエンザウィルス感染に対して、幅広い効果を持つヒト抗体医薬品の開発に向けた研究を進めていきます。
※1 Interscience Conference on Antimicrobial Agents and Chemotherapy

 キリングループでは、新たな医療価値の創造に向けた研究開発の一環として、当社が基本技術を開発したヒト抗体産生マウスを用いたヒト抗体医薬品の研究開発を行っています。ヒト抗体産生マウスとは、ヒト抗体遺伝子を導入したマウスのことで、これを用いた研究開発により様々なヒト抗体医薬の開発が可能になると期待されています。ジェミニ社では、このマウスを用いた感染症や自己免疫疾患に対する医薬品の研究を行う中で、インフルエンザウィルスの中でも85%の感染例を占めるA型インフルエンザウィルスに着目しました。
 A型インフルエンザウィルスは数種のタンパク質で構成されていますが、その中でもウィルス間の変異が少ないことで知られるM2タンパク質※2に結合するヒト抗体(抗M2ヒト抗体)を作製し、動物モデルなどを用いた実験により、その有用性を確認しました。
※2 A型インフルエンザウィルスが持つ膜タンパク質で、ウィルスの機能に必要なイオンチャネルを形成している。

【研究結果】
抗体は、ウィルスのタンパク質に結合すると体内の生体防御反応を誘導する能力を持っている。今回、抗M2ヒト抗体は、H5N1型鳥インフルエンザを含む各種のA型インフルエンザウィルスが持つM2タンパク質に幅広く結合することが確認された。
動物モデル(マウス)に抗M2ヒト抗体を予防的に投与することで、A型インフルエンザウィルスに感染したマウスの死亡率を抑制するとともに、肺におけるウィルスの増殖を強く抑制した。また、A型ウィルスを感染させた翌日から抗M2ヒト抗体を投与することでも、マウスの死亡率を抑制した。

 以上のように、抗M2ヒト抗体がA型インフルエンザウィルス感染に対して幅広い効果を持つ可能性を、研究レベルで明らかにすることができました。ワクチンなど既存の医薬品とは異なる新たなメカニズムを持ち、H5N1型鳥インフルエンザなどを含む各種のA型インフルエンザウィルスに対して有効性が期待できる抗M2ヒト抗体は、完全ヒト抗体のため高い安全性なども期待できます。当社では、将来の医薬事業の柱としてヒト抗体医薬の開発を進めており、今後もヒト抗体医薬品の商品化に向けた研究を継続していきます。キリングループでは、新たな医療価値を創造することによって、最先端の医療に貢献する医薬事業を展開していきます。


研究体制および研究概要

ジェミニサイエンス社発表内容



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