アコーディオンやバンドネオンなどの“蛇腹”楽器が、生誕200周年を迎える2022年まで続くカウントダウンイベント『Bellows Lovers Night』。
キリンラガークラブでも毎年恒例となったこの蛇腹の祭典が、今年も横浜赤レンガ倉庫1号館ホールで開催された。
アコる・デ・ノンノンのプレパフォーマンスに続き、トップバッターは田ノ岡三郎。「I'll remember April」「Feel like making love」「夜の果て」。彼のアコーディオンと宇川彩子のタップの軽妙なコンビネーションが、イベントの開幕に花を添える。
続いては「昨日、札幌から飛行機でやってきました」というマルカート。「さんぽ」に続いての新曲「タキシード」は、昨年の『Bellows Lovers Night』の際に見た、横浜の夜景がモチーフになっているという。あたたかな歌声による弾き語りに、開場は、くつろいだ空気に包まれた。
数々の“蛇腹”プレイヤーが分刻みで登場するのが『Bellows Lovers Night』の魅力。一曲のみの演奏だった佐藤芳明(Pot Heads)は、登場の挨拶で「次は最後の曲です」と「Xenoglossy」を紹介し、笑いをとった。名曲「港のヨーコ,ヨコハマ,ヨコスカ」のフレーズを巧みに織り込んだアレンジも絶妙だ。
そして『Bellows Lovers Night』一番の華やかキャラクター、アコる・デ・ノンノンが客席から舞台へ。七色のウィッグにピンクのフリルをあしらったサテンドレス。「演奏よりも衣装とメイクに力が入っています」というが、演奏の腕も年々グレードアップ。お色直しのパフォーマンスを挟み、「愛の賛歌」「12番街のラグ」「エル チョクロ」「踊り明かそう」の4曲を披露した。
そんなアコる・デ・ノンノンに負けじと、真っ赤な山高帽に銀ラメのジャケットで登場したのは、クレイジー清水。ギター、ベース、ドラムスを従えたバンド編成で「ブギー・ルイジアン」と「ダンス天国」を演奏し、「この後も素晴らしいアーティストがたくさん出てきます。皆さん、キリンラガービールを味わいながら最後まで楽しんでください!」と、次へとつなぐ。
ここで、嬉しいサプライズ。佐藤芳明、檜山学、そして『Bellows Lovers Night』の発起人でもあるcobaがこの日のために急遽結成した、その名も“急遽・ザ・トリオ”が舞台へ。名プレイヤーたちのセッションによる「Domani」では、それぞれのソロ演奏もたっぷり披露され、観客は大喜び。3人の固い握手とともに、第一部は幕を閉じた。
第二部のスタートは『Bellows Lovers Night』名物のポカスカジャン。揃いのボーダー柄のジャケットは、ボーダー・シャツがトレードマークとなっているcobaに対抗しようというもくろみとか。おなじみの童謡を有名歌手が歌ったら…、3人で1台のアコーディオンを弾いたら…、ロッキーのテーマを邦楽風に、演歌の名曲をボサノヴァ風にアレンジしたら…と、面白ネタが次々と飛び出し、開場は爆笑の渦に包まれた。
すっかり会場があたたまったところで、『Bellows Lovers Night』の常連、檜山学が、サックスのテディ熊谷とのユニットOrso brunoとしてステージへ。開場の空気は一変、スタイリッシュでどこかオリエンタルなサウンドに皆が引き込まれた。
プラネタリウムは、14世紀のトルコの戦いをテーマにした「サルタン怒りの理由」と「Dandy Deceiver」を披露。ドラマティックなアレンジが、聴衆を圧倒した。
ここで、『Bellows Lovers Night』の人気者、やるせなす・中村豪が映像で登場。残念ながら今年は欠席だが、最近は“cobaさんを超えたんじゃないの?”という程にアコーディオンの技術も上達したとか。「20年続けようと始めた『Bellows Lovers Night』も、もう7年目。これからもずっと!」とのコメントに、観客から大きな拍手が沸き上がった。
そして真打ちcobaがステージへ。「sogni d'oro」「家族の肖像」「泣カナイデ」。豊かで、情感に満ちたアコーディオンの音色に、あらためて“蛇腹”楽器の奥深さを思う。気がつくと観客だけでなく、舞台袖や客席後方では参加アーティストたちもcobaの演奏に聴き惚れていた。
そしてフィナーレは恒例の蛇腹大セッション。常連にはすっかりおなじみとなった「吠えろ!ベローズ」に、ステージも、総立ちとなった客席も、開場すべてが一体となって盛り上がりをみせた。
ライブは後日、個性豊かな蛇腹プレイヤーたちとともに、名古屋そして神戸でも熱く繰り広げられた。
“蛇腹”が奏でる素晴らしい音楽との再会を約束して、
キリンラガービールで、乾杯。 |
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