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タイトル ヨーロッパ磁器の王者

ドイツ・エルベ河のほとりの古都に
華の歴史は始まった。

 ヨーロッパ硬質磁器の歴史はマイセンから始まります。西洋磁器のパイオニアにして究極の名窯と評されたマイセン。
  その歩みは今から300年ほど前、ドイツ東部ザクセン州の古都マイセンに、時のザクセン選帝侯アウグスト二世(強王)により初の硬質磁器工房が開かれた時に始まりました。
 
  アウグスト二世の都ドレスデンにほど近いエルベ河沿いの小さな城下町マイセン、その河を見おろすアルブレヒト城に初めてマイセン窯が開かれたのは1710年。

  当時は東インド会社から運ばれる中国や日本の白く輝く磁器が王侯貴族の憧憬の的となった時代で、とくに熱狂的な東洋磁器の蒐集家として知られたアウグスト二世は、自らの手で黄金より美しい白磁を創り出そうと願い、錬金術師ヨハン・フリードリッヒ・ベトガーにその開発を命じ、ついに1709年に磁器焼成に成功したのでした。


アウグスト二世の肖像画

ザクセン選帝侯 アウグスト二世肖像

 

 翌年には「王立マイセン磁器製作所」がアルブレヒト城内に設立され、本格的なマイセン磁器の生産が始まったのです。
 アウグスト二世は、東洋磁器の莫大な収集品を収蔵する目的のために、ドレスデンのツヴィンガー宮殿近くに「日本宮」を建造するほどの熱狂的なコレクターでした。彼は自ら開発した白磁への執着もすさまじく、その技法が外に漏れることを恐れベトガーをアルブレヒト城内に幽閉、それがもとで廃人同様となった白磁開発の功労者ベトガーは、マイセン窯誕生からわずか9年後、37歳にしてその生涯を閉じたのでした。

アルブレヒト城とベドガーのブロンズ像
写真左から エルベ河を見おろすアルブレヒト城。アルブレヒト城内の壁画に描かれた錬金術師ベトガー(アルブレヒト城蔵)。ベトガーのブロンズ像(ケーニッヒシュタイン城蔵)陶壁画には歴代のバックスタンプとベトガーのサイン。

 マイセン磁器の大きな特徴の一つは、ベトガーが苦労の末に見出したカオリンと呼ぶ上質な白磁土の焼成による、輝くような透明感にあります。後に、時代の美術様式を描き続けた白いキャンバスと評されたその美しい白磁は、その後、天才絵付師へロルトを始めとする多くの意匠家達の手によって、やがて華麗な色絵の時代を迎えていきます。

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